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言葉を放ったのは、少女。所々に純白のフリルをあしらった闇色のドレスを纏い、長短で二重になっているスカートから出て居る細い脚も、闇色のソックス。脚先まで、真黒の靴。どこまでも黒くて白い少女だった。
その中で唯一色を持っているのは髪。色の抜けたような白い肌、闇色の服と対比するような金髪。襟足が長く、後ろで纏めている髪は、綺麗にくるくると丸まっていた。
「その声……ルシエ!? 何でココに!?」
部屋の隅で背を向けていたカグラが驚く程速い速度で振り向いた。
「フフフ……たまたま、ね」
「あれ、お知り合いですか? 『戦鬼』の方々同士はあまり面識が無いって聞いてたんですけど」
2人のやりとりを聞いたコイルが不思議そうに言う。事実、『埋葬機関』の『戦鬼』達は機関の特性や『戦鬼』の性格上あまり交流が無い。
そもそも、出会う事自体が稀なのだ。
そんなコイルを見て、ルシエと呼ばれた少女は楽しそうに言葉を紡ぐ。
「ウフフ、コイルといったわね? カグラに戦い方を教えてあげたのは……私よ」
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