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「ランス……いい加減機嫌直してよ。何でそんなに怒ってるのさ?」
「ロウにはわかんないよ!」
相も変わらずランスはそっぽを向いていた。その理由を全くわかっていないロウはただ首を傾げるばかり。そして、この状況で最もやってはいけないだろう行為……
「フウコちゃん、どこか、皆で楽しめるようなトコないかな?」
目の前の少女、フウコに話しかけてしまった。それだけでもランスの表情がだいぶキツくなったのだが。
「お腹空いた~何処か食べ物さん行きたい」
そう言いながらフウコがロウの腕にしがみついた。ロウからしてみれば仲良くできて嬉しい所なのだが。
しかし、真横からの冷たい視線に気付き、青ざめる。
「2人で行くって……約束破った上に……そんな事まで……」
ランスの周りに、バチバチと雷が発生する。自然では有り得ない、紅い雷が。
それこそ、ランスが人外である証明。
ランスは人間ではない。
『ランステッド=シェル=アルナカルタ』。
間違いなく、『昏きもの』である。同時に、彼女は上級より上な事がわかる。
何故なら――個々で特別な力、つまり能力を持つのは、上級より上のものだけ。
だから、必然的にランスは上級、若しくは――
そして同時に、ロウと契約を結んだ契約鬼でもある。
……のだが、今その契約主は。
「ロウの馬鹿ぁぁぁ!!」
「何で僕がぁぁぁ!」
ランスの放った雷撃の直撃を受けていた。ちなみに、フウコはいち早く危険を察知して、既に脱出済みだったりする。
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