1241人が本棚に入れています
本棚に追加
†
カグラは思わず見とれていた。美しい、紅い髪。まるで人では無いかと錯覚させるまでに、それは美しかった。
しかし、カグラが見とれていたのはその髪では無い。少女の周りに発生している、自然では有り得ない紅い雷に、だ。
どうやら少女は目の前の黒いスーツを来た茶髪の男と口論か何かをしていたらしく、馬鹿ぁぁぁ、などと叫びながら、その雷を男に向けて放った。当然それはものの見事に目標に当たり、男はひっくりかえる。
この時点で、カグラは確信していた。あの少女は、『昏きもの』であると。長年それらと戦ってきた勘がそう結論づけた。
(……今、出るのはマズイか。とりあえず様子見だな)
今度は尻尾のついた銀髪の少女と口論を始めた紅い少女を見ながら、カグラは静かに尾行を開始した。
†
最初のコメントを投稿しよう!