1241人が本棚に入れています
本棚に追加
「酷いよ、ランス。問答無用で雷なんて。僕なんかした?」
半分泣きながらロウは訴えるが、ランスは頑として不機嫌なまま。
「フンだ。ロウの馬鹿、分からず屋、ニブチン」
ずっとそんな事を呟き続けるランス。どう対応したら全然わからず、ロウは1人あたふたしていた。
……のだが、突然。
「ロウ、フウコ、行くよ」
唐突にランスが言う。その表情はさっきまでとは打って変わって真面目なものだった。
「え~、何で?」
あくまで能天気なフウコが不思議そうに尋ねるが、
「いいから。とにかく行くよ」
明確に答えずにランスは歩き出した。
「何処に?」
いつもよりトーンを落としたロウ。真剣さを読み取ったのだろう。
「人気の無い場所。でも、着くまでは普通にしてて」
「……わかった」
「うん」
ランスの言葉を受けて、2人とも肩の力を抜く。言われた通り自然に見えるようとしたフウコは、
「早く行こう~」
再びロウの腕にしがみついた。
「それはダメェェ!!」
そしてまた再び、雷撃がロウに直撃したのであった。
最初のコメントを投稿しよう!