『偽者使い』

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「どうしよう……ついていけない!」    完全に置いてきぼりをくらった黒スーツ、ロウレニスがおろおろしながら止めに入ろうとしてはランスの雷撃を見る度、カグラの斬撃を見る度諦めていた。  そんな彼を見兼ねた銀髪の尻尾少女、フウコは笑顔で、   「大丈夫だよ、お兄ちゃん。2人とも全然本気じゃないもん」    だいぶ落ち着いた様子で2人を見た。   「……だといいんだけど」    だが、ロウレニスの願い虚しく、状況は一変する。  カグラが両手の剣の柄尻をぶつけ合わせると、そこに最初から仕込んであった連結部分が繋がり、カチリと嵌め込まれると、中に収納されていた極細の硬化ワイヤーが引っ張られて出て来たのだ。  しかも、その事にランスは気付いていなかった。  そのせいで、結果、そのワイヤーで首を締められてしまう。こうなってしまうと下手に動けない。少し力を込めれば簡単に首が落とされてしまう状況だった。   「ランス!」    思わず叫ぶロウレニス。しかし。   「お前らも動くなよ。……首が落ちるぜ」    そんなカグラの脅しで、体を動かせなくなってしまった。
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