1241人が本棚に入れています
本棚に追加
/1522ページ
途端に、ピタリと雷撃が止む。
「ロウ! ……キミ……もう許さないよ……」
「許さないんならどうだってんだ。今度こそ色々と訊かせて貰うぜ」
「無理よ」
カグラの言葉を否定するランス。ロウを人質にとられているのに、その表情は余裕。笑みさえ携えている。
「無理、だと? テメェコイツがどうなっても――」
カグラの言葉を遮って、ランスは呟く。
「エリク、お願い」
「御意」
何処かからそんな答えが聞こえたかと思えば、カグラの目の前に老人が出現していた。
「なっ、何――」
驚く間も無く、手の剣が叩き落とされ、ロウを奪っていった。一瞬の早業である。
「しまった……使い魔か!」
「今頃気付いた?」
そんな言葉を放つランスの隣にはロウレニスとさっきの老人。老人の腕にはフウコまでいた。
「ハッ、テメェも大概強ぇなぁ……」
「どうも。じゃ、覚悟はいい?」
ランスの手に、紅い雷。対するカグラは、丸腰。今から剣を拾っていたんじゃ、その間に撃たれるのが目に見えている。
そう思い至ったカグラのとった行動は。
最初のコメントを投稿しよう!