『偽者使い』

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「さて、一応聞いておくよ。何か言い残す事でもある?」    そんな質問をするのは、ランス。全身に紅い雷を纏わせ、万全の状態。   「そうだなぁ……テメェを仕留められ……なかったのが残念……だ」    対するは、カグラ。武器を失い、相手の攻撃をまともに受け、地面に倒れたまま動けない。最悪の、状態。   「手加減できるかどうかわかんないから聞いてあげたのに。最後までそれ?」    まぁいいや、という呟きとともに、何本もの雷が発生する。狙いは、カグラ。   「死んじゃったら、ごめんね」    雷が、放たれる。寸分違わず、それらはカグラに向かった。   (……クソ、やっぱり『あの姿』にはならない、か。じゃ、コイツもハズレ……クソ、クソクソクソ! 私は、『アイツ』を殺すまでは、死ねないのに……!!)    そして、無数の雷が、派手な音を立てて、突き刺さるように直撃した。
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