『理由×過去』

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『理由×過去』

「ん……?」    例えるなら、オフィス――いや、実際に仕事場となっている事務所で、カグラ=リックスフォードは眼を覚ました。   「あ、起きた。気分はどう?」    声のした方に頭を向ける。見えたのは、茶髪の男――ロウレニス。その隣にいるのは、   「……!! テメ……痛っ!」    紅い髪の少女、ランステッド。  未だ戦闘中だと思っていたカグラは慌てて飛び起きて、そして痛みに動きが止まった。軽く涙ぐんでいると、誰かの人差し指に額を押され、寝かされていたソファに押し倒される。   「コラコラ無理に動くな。傷に響くぜ?」    聞こえたのは、聞き慣れた声。人差し指の主は、フェイ。   「フェイ……? どうなってんだ?」   「そうだな……一言で言えば誤解だな。そこのお嬢さんは『アイツ』じゃない。間違いなく『四大霊鬼』だが……『紅』だ。俺達が戦う理由は無い」    フェイの言葉に愕然とするカグラ。意気消沈し、ソファにぐでっと沈み込んだ。
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