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昔むかし……と言っても、どれくらい昔の話かは知らない。
空はどこまでも蒼く、雲は白く太陽がサンサンと降り注いでいた、まぁそんな時代の話。
世界は混沌に満ちていて、国と国とが小さな戦争をしょっちゅう起こしていた。理由なんて些細なモンさ。根っこにあんのは、『あの国が気に入らない』だからな。
戦争と言っても、実際に戦うのは人じゃない。人型電子人形――オートマタと呼ばれる機械を人間の代わりに使っていたそうだ。今じゃそんなものお目にかかれなくなったが、昔は今より高度な文明を持つ国があったという話がある。
どうしてそんな高度な文明を持つ国が滅びたのかって? さぁな。史実には載っていない。その国を恐れた他国に潰されたっていう話も、オートマタが暴走したという話もある。いずれにせよ、事実は闇の中だ。
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