第1章~始まり~

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穴の中は意外と快適で夏とは思えないほど涼しかった。 エイイチ「うわぁ、涼しくて気持ちいいなぁ。ただ後で腰が痛くなりそう...」 穴の直径はせいぜい1m40か50cm程度なので詠一の身長を考えれば嫌でも中腰の状態で進まなければならない。 どれだけ歩いただろう。ふと時間が気になった詠一は左腕にある腕時計に目をやる。 エイイチ「ん!?時計が動いてない??おかしいな、穴を通る前までは動いてたんだけどな...この時計気に入ってたんだけどなぁ...帰ったら修理に出さなきゃいけないな...」 腕時計が使えないので今度はズボンの右のポケットに入っている携帯電話を取り出して画面に目をやる。 エイイチ「え!?携帯の時計も動いてない!!しかもここ圏外じゃん...」 携帯も壊れたと思いいろいろいじってみるとアプリは正常に機能するしデータフォルダの中身にも異常は無いようだ。ただ時計が動いていなくて圏外なだけのようだ。 エイイチ「うーん、電波が来てないからウェブに繋がらないのは分かるけどなんで時計が動いてないんだろ...普通圏外だからって時計までは止まらないよな...この穴、何かあるな。」 何かあると思いつつ考えても答えが出るはずも無いので考えるのを止めて詠一は再び歩み始めた。
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