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「貴女は何処から来たんですか?返答次第によっては斬ります」
ニッコリと笑いながら、物騒なことを言う総司さん。
「何処からと言われましてもねぇ・・・・・・」
考え事をしているときに、親指を顎にあてるのは華魅の癖。
「華魅、ここに来た時の記憶がないですよ」
無意識に飛び降りて、気がついたらここにいた。
そういえば、華魅が一体どうやって現れたのか知らない。
「あぁ、それは橘さんがいきなり土方さんの上に降ってきたんですよ」
「・・・・・・・・・・・・」
だから土方さんは刺々しかったんですね?
不可抗力とはいえ・・・・・・。
「・・・・・・ごめんなさい」
頭を下げれば、土方さんは鼻で笑い飛ばした。
華魅はムッとしたけれど、グッと堪えた。
「・・・・・・。・・・・・・目を開けたら飛び降りていた」
「・・・・・・は?」
その言葉に、土方さんも総司さんも首を傾げた。
「何処から来た、の答えです。華魅、空から降ってきたみたいですね」
真面目にそう言えば、土方さんはくわえていたキセルを落とし、総司さんはポカンと口を開けていた。
たった今、土方さんがキセルをくわえていたことに気付いたのは仕方がない。
怖くて直視できなかったんだから。
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