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「絶対に頭がイカレて・・・・・・」
「失礼ですね!」
土方さんの言葉を遮って言った。
何回も同じ台詞を繰り返すなっつーの。
「華魅、嘘をつくのは苦手です」
ツンと言い放つと、土方さんはキセルを拾い上げてため息をついた。
「んなもん信じられるわけねぇだろ」
・・・・・・華魅、この人たちに信じてもらえないと、殺されるのかな?
だったら、信じてもらわないと。
「じゃあ、何をしたら信じてもらえます?」
タイムスリップしちゃったみたいだし、行くあてもない。
とりあえず必死だ。
「そうだな・・・・・・」
土方さんは顎に手をあてて悩みだした。
その横で総司さんは土方さんを見ている。
・・・・・・つーかガン見?
華魅がそんなことを考えていると、目の前に懐刀が降ってきた。
「それで腹斬る覚悟があれば信じてやるよ」
・・・・・・死ねってか。
いや待てよ?
新撰組の誰かさんは、切腹しても死ななかったんだよね?
じゃあ、華魅が必ず死ぬわけじゃないか。
でも、痛いの嫌だなぁー・・・・・・。
「今ですか?」
懐刀を手にとって、土方さんを見上げる。
さっきから上ばっかり見てて、首が痛い。
「本気ですか!?」
総司さんがどちらにともなく叫ぶ。
土方さんが返事をしてくれないので、華魅は懐刀を抜いた。
・・・・・・手が震える。
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