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「あ?」
土方さんに見下される。
華魅は座ったまま土方さんを睨み付けた。
「腹を斬れって言ったのは・・・・・・」
「誰も斬れとは言ってねぇ」
「なっ・・・・・・」
華魅はまた口をぱくぱくさせた。
驚いて、怒りで、言葉が出ない。
人がせっかく覚悟したのに、それを邪魔された。
すごく、不愉快。
「腹を斬る覚悟があればと、俺は言ったんだ」
確かに、正論だ。
だが納得がいかない。
「第一、何をそんなに必死になってんだ?」
ぷかーっと口から煙を吐いて、土方さんは言った。
「・・・・・・はぁ」
華魅はため息をついた。
なんだか、どっと疲れた。
もう、なんかどうでもいいような気がする。
「おいコラ、質問に答えやがれ」
土方さんは忙しない人だなぁ。
ちょっと休憩したい。
「なんかすごく疲れました」
そしてもう一度ため息をつく。
「どうです?切腹し損ねた感想は」
総司さんはニコニコ顔で聞いてくる。
なんでそんなに嬉しそうなんですか・・・・・・。
「最悪に決まってますよ・・・・・・」
もう、いろいろとぐちゃぐちゃ。
頭が回らない。
「これが現実だっていうんだから、より一層。もうわけがわからない・・・・・・」
ブツブツと独り言を言っていると、二人に怪訝そうな顔をされてしまった。
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