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華魅がそう言えば、相手の機嫌をさらに損ねたらしい。
「当たり前だろうが。敵かもしれねぇ奴に甘くする奴がいるかよ」
敵・・・・・・。
この人たちは一体・・・・・・?
そして、華魅はなんでこんな所にいるの?
「華魅は・・・・・・死んでないの?」
「あぁ?」
突然の華魅の発言に、相手は驚いたようだ。
「だって、あんな高い所から落ちたのに・・・・・・。それとも、夢・・・・・・?」
そうだ。夢だ。
きっと華魅は教室で立ったまま寝ちゃったんだ。
「そう、夢。夢じゃなきゃありえない。うん。これは夢なんだ・・・・・・」
涙も止まった。
華魅は睨みつけてくる土方という人を見上げた。
「これは夢だ!」
そう叫ぶと、土方という人ともう一人の男の人も一瞬動きが止まった。
「・・・・・・おい総司、コイツ頭イカレてんじゃねぇか?」
土方という人は失礼な事を言う。
「土方さんに頭ぶつけたからじゃないですか?」
総司と呼ばれた人は、土方に失礼な事を言う。
・・・・・・ん?土方?総司?
だいぶ落ち着いてきたので、ちゃんと頭が回る。
・・・・・・でも、偶然だよね。
「すいません、ここ何処ですか?」
華魅が口を挟むと、総司と呼ばれた人が答えてくれた。
「ここは壬生浪士隊の屯所ですよ」
「・・・・・・え」
偶然かと思ったのに、そうじゃなかったらしい。
・・・・・・この人たち、新撰組?
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