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リーダーがうめき声を上げながら 苦しそうに倒れると、
他の奴らは 怖がって動かなくなる
「次は誰だよ」
高井先輩が
ギロッと 他の奴らに睨みを効かせると
それにビビッて
その場から 走り去った
高井先輩は
汗をグイッと拭うと
顔をこちらに向けた
「せ…先輩…な、何で…何で来たんスかぁ…っ」
泣きそうだ
本当は 怖かった
心の奥で、先輩に助けを求めていた
また、頼ってしまった
一人で 解決出来ると思ったのに、
やっぱり、先輩がいないと駄目だな
「…っは……」
相当 探し回っていたんだろう
息を切らした状態で、フラフラと俺の元へと駆け寄った
「大丈夫か?」
さっきとは違って
優しめの声音で言われて
俺はただ うつ向いた
「結城」
ぐしゃぐしゃと
かき乱される髪
俺は、
優しく笑う先輩を見て
本当に救われたんだよ。
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