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「ほら、すごい苦しそうじゃん。ほっといたらお前…死ぬかもよ」
ぐたっ と力のない俺を、支えて歩き出す相手を見てると
何だか泣けてくる
「…いいんだよ。俺、喧嘩すんの好きなんだ」
ケホッと、辛そうに咳き込むと ゆっくりと背中を摩ってくれて
優しすぎだから。
「…じゃあ、何でさっき…お前泣いてたんだよ?」
その質問に答えられず、黙りこくっていると
相手は 溜め息をついた
「お前、馬鹿だろ。何 金髪に染めて喧嘩までして、イキガッてんの?」
怒ったような口調に、またびくっと体を震わせた
「…うるせえ……何も知らないくせに、分かったような口聞くな」
「あぁ…確かに分かんねえな」
あっさり返されると、また苛々がこみあげてくる
なら、もうほっといてくれよ…
「…けどなー、強く見せてんのが泣くほど辛いなら、そんなもんやめちまえ」
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