1066人が本棚に入れています
本棚に追加
「……そうか…」
おもむろにライターと煙草を取り出し、
シュッと音を立てて 火を出す
殴られると思った
怒鳴られると思った
「…金城君と…、同じようなことを言うんだな…」
びっくりして顔を上げると、 そこには微笑む親父が居た
「金城君は、お前を嫌いになった訳じゃない」
親父は静かに話し出した
金城は、俺の転校の件を必死で 止めてくれたらしい
『こんなことになったのは俺のせいです。高井君は関係ありません』
それでも 親父が断ると
金城は土下座までしてくれて、
『なら、もう俺は高井君に近付きません。話しません。…だから、高井君をこれ以上悲しませないで下さい…!』
床に頭を擦りつけて、
かすれた声で叫ぶ金城に
そこまで言うなら、と俺の転校を無しにした
「…そしたら、金城君はこう言ったよ」
『でも、忘れないで下さい。俺は…高井君を愛しています。』
『例え、もう話せなくなっても、近寄れなくなっても…俺はずっと、高井君のことを想っています』
『この気持ちは、一生変わりません。俺は、高井君が好きです…』
.
最初のコメントを投稿しよう!