1760人が本棚に入れています
本棚に追加
私の耳に、隣で寝ている哲也のイビキが
心地よく伝わってきた。
(イビキなんて、めずらしい。熟睡してるんだ・・・)
さっきまで、彼はベッドの中で私の体を激しく求めていた。
夢中で愛し合って、私の上で果て
ぐったりとなった彼の重みがいとおしい。
肩越しに壁の時計を見る。
(もう、朝の5時か…)
その日の10時過ぎには
上野駅から新幹線に乗って盛岡に向かう予定だった。
3LDKの私のマンション。
ここで、すでに40日も“軟禁同然の逃亡生活”を
送るようになった私たちの、初めての旅行。
・・・そう、なるはずだったのに・・・
最初のコメントを投稿しよう!