第1夜 ~恋人の逮捕~ 

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私の耳に、隣で寝ている哲也のイビキが 心地よく伝わってきた。 (イビキなんて、めずらしい。熟睡してるんだ・・・) さっきまで、彼はベッドの中で私の体を激しく求めていた。 夢中で愛し合って、私の上で果て ぐったりとなった彼の重みがいとおしい。 肩越しに壁の時計を見る。 (もう、朝の5時か…) その日の10時過ぎには 上野駅から新幹線に乗って盛岡に向かう予定だった。 3LDKの私のマンション。 ここで、すでに40日も“軟禁同然の逃亡生活”を 送るようになった私たちの、初めての旅行。 ・・・そう、なるはずだったのに・・・
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