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17年ぶりに、親子3人が顔をそろえた。
父は、突然会いに来た私たちのことを
優しくねぎらってくれた。
「ミホが突然来たこと、なにか理由があるんだろ?」
黙っていた私たち。
だけどしばらくすると
母が重い口を開いてくれた。
再婚した夫が作った莫大な借金があること
家族が貧困に苦しんでいること
私が骨肉腫をわずらって入院し
今でも仕事ができないでいること……。
話終わると、父は号泣した。
「なんでミホがそんな病気になっているんだ!?」
握りこぶしで机を叩き、悔しがる。
父は、離婚後も何度も母のもとへ来て
私たちの生活を心配してくれていたらしい。
それなのに、やっと会えた娘は
いつ死ぬかもわからないような病魔に侵されてしまっている。
「これから、俺にできることならなんでもするから。
どんどん頼ってくれ」
「パパ、ありがとう……。
今、仕事もできなくて、本当に辛くて」
「わかった。今までなにもしてやれなかったぶん
父親としての援助はするから」
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