第9夜 ~変化~

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でも父は、やみくもにお金を援助してくれるだけではなかった。 ずっと私たちを苦しめてきた借金にも 手を打ってくれたのだ。 「この借金の書類には不備がある。 これは裁判で帳消しにできるぞ」 「えっ!? ほんとうに?」 私はまだ父と再開して間もないから どこまで信用していいのかわからなかった。 でも、父と母は2人きりで会ったり 相談しあったり、とても信頼しあっていた。 「ミホ、大丈夫よ。パパは経営や金融に関する知識は 独学で身につけているの。もともと頭のいい人だし、金儲けがうまい。 ヤクザであり、金融のプロでもあるんだから、任せてみましょう」 そして、本当に借金を消してくれたのだ。 「パパ、すごい!」 「よかったな。これでお前たちもだいぶ楽だろう」 あんなに、私達を苦しめていた借金。 それを父の知識と経験で解決してくれた……。 (私のパパは本当にすごい人なんだ。 なんてかっこいいんだろう…! こんな男の人、憧れちゃうな…)
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