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そうやって、毎日いろいろなお店に一人で行って
お客さんを捕まえ、少しずつドルチェのお客を増やした。
マーちゃんはほかにも
「一日に何十回も歌舞伎町を歩き回れ」
というアドバイスもしてくれた。
「わかった…。でも、なんで?」
「歌舞伎町の人間になるには、ビルや通りの名前
歌舞伎町のすべてを頭に叩き込むんだ」
周辺の地理がわからないと、お客との会話もろくにできない。
だからその知識は、本当に役に立った。
結局、ドルチェは大した儲けも出せないまま
3ヵ月でたたんでしまった。
でも、マーちゃんが水商売のことを1から教えてくれたおかげで
私はこの仕事の面白味がだんだん分かり始めてきていた。
「このまま、水商売を終わりたくない」
真剣にそう思うようになっていた。
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