18人が本棚に入れています
本棚に追加
二人で参考書を選びに行った。
自分の為に真剣に参考書を選ぶ香穂に、暁生もまた真面目だった。
ファミレスでは問題集を片手に、紅茶を飲みながら公式について語り合い、息抜きにと公園ではラムネを片手に他愛もない話をした。
香穂は飲み干したラムネの瓶を見て、懐かしそうに微笑んだ。
暁生は瓶を二つ手にすると、近くの大きな石に叩き付けるとビー玉を取りだし、一つを香穂に手渡した。
「一つずつな」
「うん」
驚いた様子の香穂も笑顔を見せ、受け取ったビー玉を日に透かし、
「キレイ」
と無邪気に喜んだ。
暁生は香穂のその笑顔だけで胸が一杯になった。
.
最初のコメントを投稿しよう!