18人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
「なんだかちょっと残念だね」
美鶴は窓から、雨に濡れるキレイに手入れされた植え込みの中庭を覗いている。
「ん…」
暁生は我に返り、居心地の良くない空間をタバコでごまかし無愛想に答える。
「暁生、どうかした?」
美鶴は暁生の目の前に立ち、屈み込んで目線を探る。
「別に…」
落ち着きを装い、目線をそらす為にタバコを揉み消した。
「遠く見てたでしょ。やだなぁマリッジブルーじゃないの?」
「そんなんじゃないよ」
「ならイイけど」
美鶴は微笑んで見せた。
「ん」
暁生は苦笑した。
.
最初のコメントを投稿しよう!