第一話 夢と現実の間

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目の前にノイズがはしる。まるで放送が終了したテレビの画面をじっと見つめているようだ。 目が痛い。 自然と眉間にしわがよる。 んっ? うっすら何かが見えてきた。 なんだろう、遠くに誰かがいる。 少しずつ、一歩一歩近づく。 ぼやけてた影が鮮明になってくる。 幼い子供たちと、その両親であろう男女が墓前に手を合わせている。 どこかで見たことのある風景だ。 どこで見たんだろう。 だがこれ以上近づいてはいけない。 意味もなく危機感に襲われはじめる。 怖い!見たくない! どんどん映像が進んでいく。 嫌だ、嫌だ! 怖い!! 時折ノイズがはしる映像はどんどん前進していく。 僕に気づいたのか墓前の前にいた4人は合わせていた手を下に下ろすと4人で顔を合わせ、ゆっくりこちらを振り向こうとしている。 絶対に見てはいけない! 嫌だ!! 見てしまえば何か起こってしまいそうな、そんな恐怖感が襲う。
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