第一章

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「死んでない。…もう一度だけ言っておいてやるが、俺はお前の探してる奴じゃ無い。それだけなら、俺はもう行くからな」 そう言い捨て、 眠兎はベンチに置いてある自分のリュックを掴み、出口に向かって歩き出した。 「…っ、待って!待ってよ眠兎!」 背後から声が追い掛けて来たが、眠兎は立ち止まる事なく歩き続けた。 とにかくこの場から去りたかった。 「本当に私が解らないのか!」 ビクン。と身体を震わし、眠兎は立ち止まる。 そして ゆっくりと振り返り、きっぱりと言い放つ。 「俺は、お前なんか知らない」 凪が固まるのを横目で確認しながら、眠兎は公園を後にした。
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