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「死んでない。…もう一度だけ言っておいてやるが、俺はお前の探してる奴じゃ無い。それだけなら、俺はもう行くからな」
そう言い捨て、
眠兎はベンチに置いてある自分のリュックを掴み、出口に向かって歩き出した。
「…っ、待って!待ってよ眠兎!」
背後から声が追い掛けて来たが、眠兎は立ち止まる事なく歩き続けた。
とにかくこの場から去りたかった。
「本当に私が解らないのか!」
ビクン。と身体を震わし、眠兎は立ち止まる。
そして
ゆっくりと振り返り、きっぱりと言い放つ。
「俺は、お前なんか知らない」
凪が固まるのを横目で確認しながら、眠兎は公園を後にした。
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