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季節は梅雨。 ギラギラ照った太陽に温められたアスファルトを、中途半端な雨がそれを濡らし、ジメジメとした生温い湿気を垂れ流す季節。 電信柱を見上げると、少し早い蝉が、たった1週間の命を一生懸命すり減らしてるのが見えた。 土の中に何年も籠って、やっと出られたというのに、許された時間はたった1週間。 なんて、短いんだろう。 あぁ、だけど蝉はそんな事なんて気にしない。 ただ ただ、奏でるんだ。 自分の羽をすり減らして、『ここに居るよ』とでもいうかの様に…。
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