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『海サン、寝ちゃったね』
翔が小声で言う。
助手席からは、規則正しい寝息が聞こえてくる。
『ね~…どうするんだろ』
本当に、これからどうするんだろう…
『見てみて、あゅ』
葵さんと何やら笑っていた菜央が、外を指差す。
車の外には、信号待ちをする人たちでいっぱいだった。
前の方で信号待ちしてる人の中には、車の窓をミラー代わりに、真剣に髪を整えたりする人も…
『うける!外から中って見えてないのかな?』
『あ、さっき見たけど、外からは見えないみたい』
葵さんが教えてくれた。
『あ、あの人クシまで出してきたよ!』
『本当だ!中から見られていることも知らず(笑)』
いつの間にか、4人で人間観察に夢中になっていた。
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