終わらない1日なんてないο

19/26

10577人が本棚に入れています
本棚に追加
/456ページ
『運転お疲れ~★』 ニコニコ笑う葵さんの美しい笑顔に癒される。 『葵サンもトイレですか?あ、1本下さいな』 葵さんに向かって手の平を差し出すと、手に持っていた煙草とライターを乗せてくれた。 『ありがとうございます』 煙草に火を着け、思いっ切り吸い込む。 湿気がまとわりついた生暖かい空気の中で吸う煙草は、池袋のお店の階段を思い出させる。 現実に戻された気がして、ちょっと憂鬱だ。 『どこでご飯食べるんですかね~?』 煙を吐き出した後、たずねる。 『ん-考えてたんだけど…新宿で食べるの怖いかもね、お客さんに会いそうだし…』 葵さんはNo.1だ。 私たちといるところが見つかって、面倒臭いことになったら申し訳ない。 今こんなところで呑気に私と話しているのを見られてもまずい…
/456ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10577人が本棚に入れています
本棚に追加