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「よぉ、なかなか可愛いじゃん君。
俺らとあそばね?」
雨の降りしきる、人気のない路地…
そこで一人の男が一人の少女に声掛けをしていた。
つまりはナンパ。
その少女の容姿は美しく、首筋くらいまでの青い髪が雨に濡れてその青を引き立てるように光っていた。
「…………」
少女は喋らずにじっとして男達を見つめている。
「なぁなぁ…きっと楽しいぜ?
ほらさ、一緒に……」
「……み……すか?」
少女が不意に喋りだし、ナンパ男は口を閉じる。
「え?」
「僕はどんなふうに見えますか?」
鈴のような綺麗な声で少女はそう問い掛けた。
「君ボクっ娘?かわいいね~♪
もちろん綺麗な女の子にみえるよ♪」
ナンパ男としてはご機嫌とりにそういった
のかもしれないが……
実際は逆効果だった。
何故かは、怒りに震えながら少女が叫んだ言葉を聞けばわかる。
少女は
大きく息を吸い込み、
その綺麗な声で
艶やかな唇で
華奢な身体に宿るありったけの力で
こう、叫んだ。
「僕は……
男だぁぁぁーーーっっ!!!!」
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