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それでも変化はある。
少女は成長する。
しかし感情は変わらない。
私は悲しくなる。少女の、私を叩き、私を踏む力が日に日に弱くなっていくのだ。
それに私は必死に音を出して答えるのだが、成長する少女に対して私は老いる。出ない音も増えてきた。
少女は傷つき私も傷つく。
そんなことなど気にせず時は進む。少女は成長し私は老いる。
そしていつからか、少女は私のもとにくる回数が減ってきた。
初めは悲しかったが、すぐにうれしくなった。親からの虐待が減ったのだろう。だから私に辛い感情をぶつけなくなったのだ。そう思っていた。
違った。
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