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次の日の朝。
「こらっ!何処に行ってたの?昨日は家にいるように言ってあったでしょ?それをこんな時間まで…もう朝よ?!」
そんな声が聞こえて目を覚ました。
「…ちょっとそこまで」
溜め息混じりのどうにも適当な返事。
その後にまた叔母の怒鳴り声が続く。
昨日会えなかったっていう従兄弟が帰ってきたらしい。
(朝帰りにしたって遅いな…)
起き上がって顔でも洗って来ようと体を起こして、部屋のドアを開けた。
「ぉっと」
出ようとして誰かとぶつかりかけた。
視線をあげると、相手は頭一つ分は背の高い男。
長髪で明るい茶髪。
その隙間から見える耳には赤いピアスが光っていた。
その男は無言でにっと笑うとそのまま歩いていく。
「コラ、麗(レイ)!・・・あ。将巳くん、おはよう。ごめんね、騒がしくて」
今の男を追いかけてきたらしい叔母が笑顔になる。
「おはようございます。叔母さん、今のが?」
「そう、息子の麗。高校3年生」
へぇ、と歩いて行った背中を見送る。
(なんか、仲良くなるってタイプじゃなさげ、かな)
「将巳くん、もう朝食とれるから克音くん起こして準備したらきてね」
とりあえず叔母の言葉に従った。
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