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「ん…」
目が覚めると、僕は病室のベッドの上やった。
「忠義!」
お母さんが、僕の手を握る。
「…お母さん‥」
僕は起き上がり、ただ呆然とした。
「忠義‥また発作でね‥?今日からまた入院やって‥」
そっか‥
また入院。
「なぁ、お母さん。僕、いつになったら元気になるん?」
「‥っ忠義…」
「‥もう、このまま死んでまうんとちゃう?やって退院しては入院って…そんなんばっかやん‥。それやったらもう―」
「‥ごめんね…。お母さんが、かわってあげられたらいいのに」
ただの僕のわがままにさえ
お母さんは叱らない。
ごめんね
って。
お母さんは悪くないのに。
お父さんは
その時窓を見てた。
零れ落ちる涙を隠すかのように。
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