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「…つーことなんだけどよ」
ディーノが雲雀との交際の現状況を説明すると、綱吉は溜息をついた。
「で。ディーノさんはどうしたいんですか?」
「どうって…。恭弥と恋人らしいことをしてぇんだ」
「それは分かってます。よく考えて下さいよディーノさん。あの雲雀さんが「恋人らしいことをしてたい」と言って簡単にしてくれると思いますか?
あの人はプライドを優先しますね」
「んな断言しなくたっていいじゃねーかよ…」
ディーノはいつもはしない、落ち込んだ顔をした。その様子から余程悲しいのだろう。
「ディーノさん。付き合っている気がしないのは仕方ないかもしれません。でも雲雀さんが好きでもない人と付き合うなんて考えられませんよ」
「……そんなことは分かっちゃいるけどさ。あいつに愛されてるってことがわかんねーといつまでも先に進めねー気がすんだよ」
「そんなに雲雀さんに愛されてる自覚が欲しいんですか?」
「あぁ」
「…じゃあ協力してあげます」
「ツナ…」
「仲良くしてもらわないとこっちが困るんでね」
「はは…。じゃあツナ、俺に協力してくれ」
「わかりました」
では早速と、ディーノと綱吉は作戦会議を始めた。
夜。日本のアジト(雲雀専用)に滞在中の雲雀の携帯から並盛中校歌が流れた。
雲雀は疲れた体を動かして、携帯を手に取った。
『よぉ恭弥。久しぶりだな!』
相手はイタリアにいるディーノ。雲雀は久しぶりに声を聞いたのだった。
「なんだあなたか」
『なんだはねぇだろ;;;』
「悪いけど僕疲れてるんだ。まともに寝ていないから寝させてもらうよ」
『あ、ちょ待てよ恭弥!!』
止めると恭弥から不機嫌オーラ丸出しの声が響いた。
「僕疲れてるんだ。明日電話するからその時ね。じゃあおやすみ」
ブチッと勝手に電話を切られてしまった。
ディーノは勝手に切られて怒っているというよりも、雲雀から電話をしてくれるということに喜んでいた。
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