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電話を切られた雲雀は携帯を壊れない程度に投げると骸を睨んだ。
「なんで君がここにいるの」
「だから昨日助けたって言ったじゃないですか」
「じゃあなんで昨日来たの」
「恭弥君に会いにvV」
「…一回死んどけば」
雲雀はディーノとの電話を邪魔されて苛立っている。骸は睨まれようが何を言われようがニコニコと雲雀の傍を離れない。
「もしかして跳ね馬と喧嘩したんですか?」
「君が来なければこうならなかったかもね」
「跳ね馬はなんて電話を?」
「無視かコノヤロウ」
雲雀は人の話を聞かない奴に疲れ、溜息をついた。
「なんの用か知らないから電話したのに」
「恭弥君は跳ね馬とできてるんですよね?僕をほって」
「まぁね」
「……好きとか言いました?」
「なんで?」
駄目ですねぇ~と骸は馬鹿にしたような態度をとると、人差し指を立てて言った。
「いいですか恭弥君。あなたのことだから告白されたときもいいよなどの一言で返したんでしょう」
「ワオ。良くわかったね」
「………相手にとっていいよの一言は悲しいことなんですよ」
「なんで?告白成功したんだから嬉しいんじゃないの」
「成功したことに対しては嬉しいでしょう。でも相手の気持ちがわからないじゃないですか」
「…どういうこと」
「相手にとっては気持ちがわかる、例えば好きとか僕も愛してるとか。そういう返事の方が100倍嬉しいもんなんですよ」
「ふーん」
「ふーんて…。今の恭弥君には必要な知識ですよ」
そう言われて雲雀は黙り込んだ。
確かに今の雲雀には愛を言葉にすることが必要だからだ。
「恭弥君。僕が今の君に必要なことを教えてあげますよ」
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