76人が本棚に入れています
本棚に追加
「あなたを行動で、愛せてなかった…。想ってても、伝えないと、意味が無い…」
「…それで、なんだよ。今度からはきちんと行動で示しますってか?」
「努力するよ…。…僕は今まで、好きであなたの傍に、いなかった訳じゃない…」
「…恭弥」
「僕は、…」
「恭弥っ!!嫌いならはっきり言えばいいだろ!!なんで言い訳なんかするんだよっ!?」
ディーノは今にも泣きそうな顔で叫んだ。そして雲雀の熱で苦しそうな姿に見るに耐えられず顔を背ける。
「僕は、あなたのことを、嫌いになったことなんて…一度もないよ……。寧ろ、好きだよ…」
「きょう、や…」
バンッ!!
部屋の外で待っていた骸が待ちきれず部屋に入ってきた。
「恭弥くん!もう十分でしょう!?早く休んでください…!!」
「まだ、伝えてない…」
「僕が伝えておきます!だから…!!」
「恭弥、どうして…」
「…僕はあなたが好きだから…自分の口から、言いたいんだ…」
「恭弥くん…。これが終わったらちゃんと休んでくださいね」
骸は少しでも楽にほしく、雲雀にベッドに座るよう言った。雲雀は素直にベッドに腰掛けて話始めた。
「ん…。ねぇディーノ。僕が今まで、あなたに触れなかったのは…嫌いだったからじゃ、ないんだ…。怖かったからなんだ…。あなたを傷つけてしまうなら、傍にいない方が、まだいいと思ったんだ…」
「なんで…なんで俺の気持ちを考えてくれなかったんだよっ!!俺はお前に触れてもらえないのが苦しくて、嫌われてるんじゃないかって…。嫌われたくないから恭弥からくるのを待ってたのに…!!」
「ごめん、ディーノ…」
初めて謝る雲雀を見たディーノは、堪らず雲雀を抱きしめた。
「ディーノ、離して…」
「嫌だ」
「風邪移ったら、困る、から…」
「そしたら一緒に寝てようぜ」
雲雀は少し驚いた顔をすると、微笑んでディーノを抱きしめた。
「本当、あなたって、面白いね…」
「面白い俺は嫌いか?」
「ううん。好きだよ…」
そう言って雲雀はキスをする。
ディーノはやっとできたキスにうっとりしていた。
.
最初のコメントを投稿しよう!