a HigH cRiMe

2/5
15人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
その夜。マスターはにこりと張り付いた笑みで私にお休み、と告げた。 わたしもマスターにお休み、と告げた。 あの顔は確実に無理をしてらっしゃる、そう思いながら眠りについた。   私が浅い眠りに付いたころだった。 マスターがゆっくり布団から出て行った。   「……傷心してらっしゃるのですね。」 そう思って そっとしておこうと思い、そのまま眠りについた。         次の日の夜。マスターはにこりと自然な笑みで私にお休み、と告げた。 わたしもマスターにお休み、と告げた。 ………おかしい、おかしすぎる。何故という二文字が頭に波紋のように広がった中、眠りについた。   私が浅い眠りに付いたころだった。 マスターがゆっくり布団から出て行った。   「今日も出て行かれるのですか?」 マスターが戸をゆっくり閉めた後、私はその小さな後姿を追いかけた。       家の玄関でマスターが誰かと話をしていた。 遠くて見えない。力を使ってるようだ。あの魔法…どこかで見たような… 「……マスター!!Σ」       ふと、魔法の用途を思い出してマスターもとに駆け寄った。 が、ばちっ、とマスターに触れる前に弾き飛ばされてしまった。 バリアを張られている。私ではとめることが出来ない。   この使われることを禁じられた『心を人に埋め込む魔法』を。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!