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その悲劇はあの夜の平行線上だった― ある日、神様が「空間の神」を作るという言い訳で新しい神を作りました。 新しい神の名はアルツ。 アルツは神様の記憶を知りつくしていました。 とてもとても優しく厳しい性格でした。 《1つ、神は神以外の生物を創造してはならない》 次の日、神様は肉体をもつお人形を作りました。 その人形の名は黒。 ―命を持たない人形は掟にはふれないのでした― 《2つ、命・心無きものに、命・心を吹き込んではいけない》 そして、黒を作ったそのあと神様はアルツに言いました。 「アルツ、黒に命と心を吹き込むんだ」 アルツはそれが大罪だと知っていました。 そしてなぜ神様が自分を生み出したかをそこで理解しました。 「全ては完全なるクロの代わりが欲しいために…自分が大罪を犯さぬように…」 そう、自分が大罪を犯さないよう、アルツは作られたのでした。 しかしそれを分かっていてもアルツは作り主の意志に逆らうことはできませんでした。 アルツは言われたとおりに神様の張ったバリアの中で掟を破りました。
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