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真っ白なアルツが魔力で黒く染まった。
そして黒が目を開けた。
神様が黒に飛びついた。
それが意味するのは、神様の中で黒はクロと変わらないということ。
「クロ…会いたかった」
「…?」
「オレは『兄さん』お前は『クロ』だよ」
「兄さん…」
それと同時にアルツが目を閉じたのを神様は知らない。
アルツに科せられた掟破りの罰は《心を奪われる》ことであった。
神様はバリアを解くと、黒とともに寝室に戻った。
神様の従者はそこにたたずんでいるアルツの方に向かった。
「体は温かいのに…目がシャットアウトしているわけですね…この子どうしてあげればいいのでしょうか…?」
アルツの問題と、主とこれからどう接すればいいのかという問題とが複雑に従者の頭の中で絡み合った。
どれくらいの時間たっただろうか?
そこに黒が現れた。
どう見ても寝ぼけた様子だったが、 黒は自分の兄さんの従者を簡単に押しのけて、アルツのまん前に立った。
ゆっくり、アルツの胸に口づけた。
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