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クロ…クロ…大事なオレの弟…
どこに言ったんだ…クロ…
シロはずっとそのような同じ言葉を狂ったように繰り返しながら、
ポップン界全域に弟の捜索依頼をばら撒いた。
その数は集中豪雨の如く膨大なもので、ポップン界の住民の何割かの家は、それで埋まった。
薄い毛布、膨大な捜索依頼。
従者の影さえも呆れるほどの過保護ぶりだったが、それどころではなかった。
そして、依頼を世界にふらせて、何日も何日もたった。
いまだに兄の足りないネジである弟は見つからない。
ネジのかけた兄は、そこから脆くなっていく。
「クロクロクロクロクロクロクロクロクロクロ…………」
「ま、マスター!?」
影さえも驚くほどに兄は脆かった。
シロの周りに嫌なオーラが出ている。
世界崩壊まで、あと…
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急に家ごと大きく揺れると、そこにはシロの姿はなかった。
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