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祭は散歩紐ぎゅっと握りしめると走って自分の部屋へ戻り、冬用の服を着込んだ。
そして銀行のカードを空のスポーツバッグに乱暴に入れ、再び玄関へ向かう。
その後を追い掛けて来た母親が慌てて聞いた。
「祭っ! どこに行くの!?」
「ちょっと買い物! 行ってきます!」
「待ちなさいっ!」
バタン!
(お母さん、ごめんね!私、この恋の為なら……
御堂さんと一緒なら……死んでも後悔しない!)
祭は駅へ向けてひたすら走った。
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