1383人が本棚に入れています
本棚に追加
慣れた感じの運転も、ギアを動かす腕も。
車の窓から見える信号や通り慣れた道さえも。
御堂の隣にいると、世界の全てが格好良く見えた。
(ああ。もう頭がクラクラする!)
♪~恋に落ちてぇ~♪
ふいにラジオから女性歌手の歌のサビが聞こえた。
そうだ、恋に落ちた!
「着いたよ」
「はうっ!?」
ニヤニヤする祭を、御堂は怪訝そうな顔で見ていた。
その御堂の瞳に映るのは祭。
(私が御堂さんの瞳に映ってるよぉ!)
「きゅーんっ!」
「な、なんだ!?」
「なっ、なんでもないです。送ってくれてありがとうございます。オドウさん!」
「オ、オド……ウ?」
「オドウさんでしょ?」
「……ぶっ。ぶはっ!」
先ほどまでのクールな御堂は消え「ぶわっはっはっはーっ」と腹をかかえて大爆笑。
(…………アレ?)
最初のコメントを投稿しよう!