1、恋が降ってきた

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   (裾の破れたジーンズ……さっき私を追い抜いたヤツと同じ。……気のせい?) さりげなく早足で歩き始め車通りの多い大通りに出るが、赤信号で足止めをくらう。 両手で腕を抱えたままチラリと後ろを見ると、すれ違ったはずのジーンズ男が5メートル程離れた電柱の陰から祭をジッと見つめて立っていた。 「!」 (ヤバイ! 絶対ヤバイって! この大通りを越えた公園沿いの道。普段から人が少ないのに!) 恐怖で身体がガタガタと震えだす。 凍える手を鞄にのばし「神様、仏様……」とお守りや趣味で集めている仏像ストラップを握りしめる。 (そうだ携帯! 家に電話しよう!) 鞄の中からジャラジャラと仏像ストラップの付いた携帯電話を取り出し、パカリと画面を開く。
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