1、恋が降ってきた

7/11
前へ
/112ページ
次へ
         「もうちょっとこっちに寄れば?」 「けっ結構です!」 (油断するな祭! イケメンとはいえ男。いつ豹変するか判らない。 ちょっとでも触ってきたら引っ掻いてやるんだから!しゃーっ!) 毛の逆立った猫のようにピリピリと警戒して歩く。 しばらくすると再びイケメンが言った。 「家はどのあたりだ?」 「何でおじさんに家教えなきゃいけないんですかっ」 「おじさ……ま、まあいい。さて女子高生、俺のマンションはここだ。言ってる意味理解できるか?」 イケメンは公園前の大きなマンションで立ち止まった。 「私を部屋に連れ込むつもりですか!?」 「連れ込む?」 「助けたお礼に身体で返せって……おじさん最低ーっ!」 「あのな……。はぁ……俺がここで帰ったらまた一人になるけど、大丈夫か? お前のブラウスずぶ濡れで下着がまる見え。タオルでも貸そうかと思ったが、余計なお世話みたいだな」 「え」
/112ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1383人が本棚に入れています
本棚に追加