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「ねぇ旅人さん?いつになったら旅は終わるの?」
目がクリクリしてて髪はフワフワの男の子が話しかけてくる。
僕が旅の途中であった村の子供の一人だ。
「うーん……旅に終わりはないんだよ…終わりにしようと思えば出来るけど……」
僕はそう答える。
「ふーん…」
男の子が少し残念そうな顔をした………
.゜・.゜・
ザクッ、ザクッ、
僕はあの村を出て旅をしていた。
「待たれよ、そこの旅人よ。」
空から声が聞こえる。否、目の前のただ一本の巨木から聞こえる。
「旅人よ……何か悩みがあるな話してみよ」
僕は話した……
この気持ちを誰かに聞いて欲しかったのかもしれない…
「旅人よ……旅にその気持ちは邪魔なだけだろう?それは旅人が一番わかってるはずだ」
だけど僕は…
.゜・.゜・
「お前さ……アイツに惚れたろ」
旅人さんが村を出てから数ヵ月
いきなり親友から言われたその言葉に俺は思い知る
「俺は……旅人さんが好きなのか?」
「いや……こっちに振られても…でも、好きなら諦めろよ………アイツは旅人だもう戻って来ないし………
男同士じゃないか…」
それでも俺は……
.゜・.゜・
【好きだ】
僕は旅人……いつ村に行けるかわからない…
俺はこの村から出た事はない…もし出ても逢えると限らない……
胸が苦しい…
胸が痛い…
【こんなに苦しいなら出逢わなければ良かった……】
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