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俺と翼がセットでいるのは、ある意味、学校中の皆に公認になっていた。
俺は平気で翼と手を繋いだり…今にして思えば変わってたかもしんないけど普通にしてた。
翼は最初は嫌がったり、恥ずかしがったりして、何度も手を振り払ったりしたものの、最終的には諦めたのか、慣れてしまって、細く長い指を繋いでくれる様になった。
†††
「アキ。」
「…何?」
「あんた、よく手を繋いだりするわよね???」
「…いーじゃん???別に???翼は嫌なの???」
「嫌だって言ったら…止めてくれるの?」
「…止めない!!!」
「じゃあ言ったって関係ないじゃん!!!」
翼はケラケラと笑い出す。
「けどさぁ~、階段だけは止めてよ?転びそうで怖いから!!!」
「そうなの???」
「マジで!!!」
「じゃあ、…それは…控える。」
「止めないんだ!!!」
またケラケラ笑う。
「アキって本当意味解んない!!!意味不明だから!!!」
「何だよ~それ???」
「…ぶっちゃけの話し、八代中のアキって、何か近寄りがたい感じするって評判だったのね???」
「え???そーなの???」
「そうだよ~!!!何で本人知らないんだろうね???かなり有名人だよ???」
「確かにそーだよな…」
「実は…私とよく似てるなぁと内心思ってたんだ。」
「え???」
「私も似たような事言われてたから。」
「んー、…まぁ、そっかもなぁ???翼の場合は。俺もそー思うよ。」
「そう???」
翼は不思議そうな顔をして、俺の顔を覗き込む。
パッチリ開いた大きな茶色い瞳をパチパチしていて、何だかかなり無防備で可愛いな、とか内心思ったりして、しばらく勿体つけて黙ってみたりした…
「…何勿体つけてんの???アキ。」
「あ…ごめん。見とれてた。」
「何それ???意味不明なんですけど???」
翼は笑い出す。
「解った。言うよ、言います。」
「早くぅ!!!」
翼は頬杖をつく。
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