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「俺…???ばーちゃんがフランスとかなんとか…けど俺の親戚って皆、日本語ペラペラなの!」
「私は小さい時はアメリカにいたから、友達は皆、英語喋ってたの。当たり前だけどね。後はスペイン語も。」
生まれて初めて聞く翼の過去。
アメリカで育ったなんて初めて聞いた。
マジカッコイイよなー???
それに…スペイン語???
「スペイン語???すっげー!!!翼マジ頭いーんじゃね???」
「住んでたらアキでも喋れるし。それに、スペイン語は少しだけよ…」
少し恥ずかしそうな顔をした後、俺の手を細い指で繋ぐ。
「行こう!始まるよ!!!」
「あ…本当だ。」
二人で走り出す。
翼は陸上で短距離やってたせいか、実は俺に負けない位速い。
後は小さい頃にクラシックバレェをやってたらしー。
だから時折、すっと立つ姿は美しい。
本人は
「こんなに身長高くなったら、相手がいなくて困るのよ…」
とクスクス笑ってた。
†††
教室に入り、隣同士座ると、素早く翼は用意してあったノートを取り出す。
「…早く!」
「シャーペン、シャーペン…」
「ここからよ、今日のって…。嘘!!!…全然やってないじゃない!!!」
「寝てた…」
「…呆れた!!!」
俺のノートを見て、翼は溜息をつく。
「呆れて物も言えないわ!!!」
「そんな…ノート引っ込めないでよ!!!」
「もう…。…はい。次はないわよ???」
サッとノートを出すと、翼は呆れた顔で頬杖を付く。
「アメリカ人入ってるとか言わない方がいいわよ?」
そう言ってから、笑顔になった。
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