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「別に…文法なんて覚えなくたって、英語は喋れるだろ?」
俺は慌てて写しながら、愚痴る。
「ふぅん…喋れるの???」
ノートを引っ込めながら、翼は意地悪そうに言いながら笑う。
「すんません…喋れません…」
慌ててノートを引っ張り返す。
早く、と翼の切れ長の瞳が促す。
†††
「翼ー!サンキュ!!!マジ助かったー!!!」
「…今度からはないわよ?」
「嘘ー???マジで???俺、不登校になりそー…。」
「…嘘つき。来るでしょ???」
意地悪そうな瞳で翼が笑う。
「…アキは友達沢山いるから、絶対来るよ。そうでしょ???」
「翼もいるしな???」
「ったく…アキの専属家庭教師でもなろうか???」
「マジで???じゃあ、今日家来てよ!!!宿題教えて!!!マージーで!!!」
「何それ…」
「来てってば!!!」
「このまま、学校でしたらいいじゃない。」
「学校で翼と二人だと、ファンクラブが煩いとか言ってなかった???」
「家で二人きりのが後が怖い。」
「いーじゃん、来いよ。…ダメ???」
「…分かった。」
俺のごね押しに、遂に翼は押し負けたみたいだ。
何だか少し頬を赤らめて、翼は鞄にノートや教科書を片付け始めた。
†††
「何、すごく綺麗!!!」
が、俺の部屋を見た第一声。
「…だろ?少し見直した???」
「まぁ…、この部屋に可愛い女の子連れ込んでるんだろうな~って感じ。」
「何それー???」
そう言いながら、教科書とノートを準備する。
「翼はさー。塾行ってるの???」
「塾???…行ってたらこの部屋には来てないよ。普通さぁ、授業済んだら塾でしょ???」
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