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「あ…そっか。」
妙に納得した。
他の奴らは部活か塾だ。
「アキは?」
「塾???…二ヶ月で辞めた。」
翼はガクッとなる。
「だよね…私の家庭教師も続くかな…」
「つーかね、翼は教え方上手い。」
翼の瞳が不思議そうに俺を見つめている。
「マジで?!」
「マジだよー!!!」
「お世辞じゃないの~???宿題教えて貰ってるからって!!!」
「いや、俺こんなにマジに勉強やったの初めてかも…」
「言い過ぎだよ…まるで褒め殺しに聞こえるんですけど???」
そう言って頬杖をつく。
机の上、えらく翼の距離が近い。
翼のどこと無く甘い香りを嗅いでたら、何か変な気持ちになってきた。
ヤバイ。
何気に少し顔を寄せたら、ピクッと翼が距離を空けた。
「で…ここの文法を…」
普通を装って、言ってる声も少し震えている。
マジ可愛い。
今まで付き合った女の子とは全く違う魅力を翼に感じていた。
俺は何気なく、翼の腰にそうっと手を回した。
手が触れた瞬間、翼の体がビクッと震える。
「ちょっと…やる気ある訳???ちゃんとしないと帰るよ???」
「…ごめん…何か翼の魅力にクラッとした。」
翼はジロリと睨んで、手を振り払う。
「何言ってんの~???それ!!!…何時もそれで女の子口説いてるんでしょ???」
もう一度。腰に手を回す。
折れそうに細い腰。
「信じられない!!!…ヤダ!!!…もう帰る!!!」
俺の手を振り切り、翼は立ち上がる。
俺は思わず…立ち上がり様に翼の腕を掴んで引き寄せた。
そうしてから、唇を重ねた。
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