†Prologue†同窓会の誘い

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高校の同窓会の数日前、俺は翼が出席する事を山下から聞き付けた。 「え?翼、来んの?マジで?」 「らしーぜ、アキ。高校コンビ復活じゃん?」 「復活って…」 俺は少し溜息をつく。 「今の俺とあいつは全然違うじゃん?」 「違うって…確かに違うけどさぁ、それは皆共通じゃん?」 「俺…逢わす顔ねーわ。」 「何言ってんだよ、皆待ってるぜ?文化祭名コンビ復活を。」 待ってる…かもだな。 皆待ってるよ、翼の事は。 今は世界のランウェイを駆け巡るスーパーモデルだから。 「…よく休み取れたな、翼。」 「だよな?楽しみだよ。」 「…俺も、かな…」 「何だよ、浮かない声だなぁ?」 「…や、何か違う世界の人みたくね?」 「そりゃそーだけど…翼と連絡取ってない訳?」 「取れっかよ?世界中だぜ?」 「誰も予想出来なかったよな、あんなに大人しかった翼が…なぁ?」 「俺は少ししてた。」 「…そーなの?」 そうだ。 俺は唯一予想してたかもしんない。 隣にいた翼が… 何時か手の届かない存在になるかもって事。 何時も隣で猫背だった翼。 俺の高校時代最大の思い出だった翼の存在。 ††† もう離れ離れになって五年にもなるんだ… 翼はまだ俺との約束覚えてるかな、とチラリと思った。 そして思い出した。 高校三年間。 翼と一緒に過ごした日々の事… 翼と出会って… 翼に惹かれて… 翼と恋に落ちたあの頃の事… あれは八年前だったよな、と苦笑する。 そして思い出す。 あの頃の翼の笑顔。 ずっと隣にいたかった。 ずっと隣にいられると思ってた。 あの頃…
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