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つんと向こうを向いた、奥行きの深い顔は人並み外れて小さい。
ハッキリした二重の切れ長の涼しげな眼差し。
まだいじった事ないだろう、しっかりした眉筋。
鼻筋は自己主張し過ぎず、かと言って低い訳でもない、綺麗なラインだ。
口はあまり大きくないが唇はポッテリとセクシィなラインを描く。
グロスもつけてないのに、ベイビィピンクで。
手足は人並み外れて長く、隣に並んだら、俺の方が確実にかなり小さく見えるだろう。
スラリとした、けど筋肉はしっかりついた、モデルみたいな足。
華奢で少年ぽいラインのしなやかな身体つき。
しばらく俺は見とれていた。
「教室あっちだって、知念君。」
「アキでいいって!翼!」
「誰が呼び捨てにしてなんて頼んだの?信じられない!」
「いーや、嫌でも呼び捨てにさせて貰う。」
「やめてよ!…お願いだから!」
「…何で?」
本当に困った様に、眉をひそめてる翼の様子に、俺も少し怪訝な表情になる。
「八代中の知念君、なんでしょ?」
かなり困った様な眼差しで俺を見つめる。
「だよ?何で?」
「ジャニーズのタッキー&翼のタッキーにそっくりって聞いたから…多分そうかなって。」
「俺、噂の人な訳??マージーで??」
「だから嫌なの。」
無邪気にはしゃぐ俺を切れ長の眼差しがチラリと見る。
「何でだよー?」
「ファンクラブ…あるって聞いたし。仲良くなったら呼び出しとかあるとか…聞いたし。…私、そんなのに目をつけられるの、真っ平。」
「…そっかぁ…」
俺はそう言って俯いた翼の手を握る。
「いーじゃん、別に!」
「なななな、何?」
「教室!!!急ぐんだろ?いこ、翼!」
手を繋がれた翼は必然的に慌てて走り出す。
「ナンパしましたって皆に発表だ!」
「ナンパぁ~???信じらんない!!!マジで言ってんの???」
「マージーで!!!」
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